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エッセイ Z

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イラスト 鈴木英すけ
エッセイ 鈴木けいと
イラスト 鈴木英すけ

夫が転ぶ
名瀬に買い物

最悪な事態
夫が、今までの眼鏡では、近くのものが見えにくくなったので、眼鏡を買いにバスで名瀬に行きました。
夕方7時の船で帰ってきました。
バイクの音がしたので外に出て、「無事に買えた?」と聞くと、バイクから降りながら「転んじゃった!」と言いました。
夫が転ぶ イラスト 鈴木英すけ
私は、バイクで転んだのかと思い、夫を見ましたが、手の小指から血が出ている程度なので、
「これくらいでよかったじゃない」とほっとしました。
夫は「額縁とバナナを手に持っていて、つぶしちゃった!」と言うので、
「どこで?」と聞くと、
「船から降りるときに満潮で高くて、両手に額縁とバナナの袋を持っていてバランスを崩し、手がつけなくて、引きずりながらつんのめって転んだ」と言いました。
「眼鏡は買えた?」と聞くと
「買った、転んだときに眼鏡が落ちたけどレンズは割れなかった」
「よかったね、人が沢山いた?」と聞くと、
「あの時間に限って、船に乗ろうと大勢待っていた」と言いました。
降ろした荷物を見ると、四つ切りサイズの額縁2個の角がギザギザに削られ木目模様がはがれていました。
バナナは袋は破れていましたが、見た目は大丈夫そうでした。
「額縁は角を削って修復すれば使えるよ」と慰めましたが、夫は精神的ショックが大きいと言いました。


ひにくなこと
夫は、その額縁を傷をつけないように細心の注意を払って持ち歩き、店やバス、船の床にそっと置いたことを印象深く覚えており、それなのに、最後の最後に自分で、「これでもか!」というぐらい傷つけ、そんなものがそんなに大事なのかと、あざ笑われたかのような結末にショックを受けたそうです。
私だったら、よく転ぶし、無頓着だから、そんなことがよく起こるのですが・・・


同情しているけれど
次の日、何であのような事態になったのかを夫なりに分析し、私に詳しく説明してくれました。
新しい眼鏡になり、距離感がくるって、船から飛び降りたときに、持っていた額縁を踏み、それで体が前のめりに引っ張られ、その体勢を立て直そうとして10メートルくらい額縁を引きずったまま、バリッバリッバリッと派手な音を立てながら人垣を突き破っていき、めがねは飛び、最後は力尽き倒れたそうです。
『眼鏡が落ちましたよ』とか『お大事に』という声が聞こえた、というのです。
夫の説明を詳しく聞いて、その情景をリアルに思い浮かべれば浮かべるほど、その悲劇は、漫画の絵のようで、申し分けないのですが、私は、涙を流して笑うことをやめることができませんでした。
▲ エッセイ もくじ

ウォーホルのベクトル
現代の象徴

日曜美術館でアンディ・ウォーホルを見ました。
夫は、若いときにウォーホルに惹きつけられたといいます。
『何で惹きつけられたの? アンディ・ウォーホルってどういう人なの?』と、さっぱり解らない私は、夫に聞きました。
アンディ ウォーホル イラスト 鈴木英すけ
夫によるとウォーホルは、子どものころ病気がちで弱く、繊細で傷つきやすい心を持ち、本当は何よりも愛を求めていました。
その傷つきやすい自分を覆い隠すキャラクターを作り、理屈で割り切った考え方やアートの常識を破ることで人々を惹きつけ、最先端で世界にすごい影響を与える人物になりました。
しかし、ウォーホルは有名人や「ファクトリー」で多くの人々に囲まれていながらも、愛されているのは、本当の自己ではなく、演じ続けなければならない幻想の自己にすぎず、相変わらず孤独に苦しんでいました。
それは、マリリン・モンローやジェームス・ディーン、エルビス・プレスリー、マイケル・ジャクソンが抱えていた孤独です。
20世紀を代表する人物になったのに、たった一人の本当の自分として愛し合える関係を求めたけれど実らず、晩年はひとり教会で祈っていたそうです。

アンディ・ウォーホルは現代社会の象徴のような人だから、ウォーホルの人生を読み解くことは、私たちが目指している成功や影響力と『本当の幸せ』とは関係がないことを教えてくれていると夫が言いいました。
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