昭和二十年八月九日午前十一時二分、
一発の原子爆弾が、
この地上空でさく裂し、
方五粁一帯を廃きょと化し、
死者七万六千余におよんだ。
哀愁悲憤の思いは、
今もなお胸を裂くものがある。
私ども生き残った市民は、被爆諸霊の冥福を祈り、かつ、
この惨禍が再び地上に繰り返されることを防ぐために、
自ら起って、世界恒久平和の使途となる事を決意し、
その象徴として、この丘に、
平和祈念像の建立を発願した。
かくて、私たちは、
平和祈念像建設協賛会を組織し、
内外の熱烈な協賛のもとに、
昭和二十六年春、工を起こしてより、
ここに四年、念願の像を完成し、
除幕の式を挙げた。
この日原爆十周年の日の前日である。…… |