工房しょうぶ作品展 |
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久しぶりに古仁屋でレンタカーを借りて、奄美パーク・田中一村記念美術館の「工房しょうぶ作品展」にいってきました。なのはな園の園長先生や娘をはじめ、しょうぶ学園の施設や作品展を見て、「すごかった」というくちコミが多かったからです。
空港近くの美術館までは、奄美大島をほぼ縦断しなければならず、腰の重いぼくたちには決心がいる行程でしたが、奄美北部、とくにあやまる岬や奄美自然観察の森からの景色は開放感があり、島の美しさに感動しました。 |
さて本題のしょうぶ学園の展示についてですが、噂通り奇跡の人々、広く創作に没頭していたい人にとって憧れの施設だと感じました。こんなに創作仲間がいて、支援も充実していて、思う存分打ち込めるなんて、想像もできなかった驚きのグループです。障がい者施設一般の関わりで、しょうぶ学園の利用者さんのように個々の才能を開花させることは、まずありえないと思うのです。夢と魔法の世界には、一般には種明しされないシステムがあるはずなのです。なぜ、ほとんどの利用者さんが、強制でも、打算でもなく、自ら無為に創作に没頭するのか。互いの刺激もあるでしょうが、スタッフの方々の努力とひらめきが「工房しょうぶ」というおとぎの国を下支えし、実現させているのだと思うのです。 |
以前、なのはな園でのワークショップで、「コラージュ」の時に並行して鉛筆で自由に描いてもらいました。しかしただ「自由に、好きに描いて!」というだけでは、正直いって絵画として成立するのは難しいのが現状でした。しかし、工房しょうぶの多彩な作品や書籍、創作風景(DVD「工房しょうぶの仕事」SHOBU
WORKS 2008)を見る限り、明らかに才能がないのはぼくたちサポートサイドで、利用者さんではないことを示唆しているのです。ほとんどの利用者さんは何らかの才能があるけれど、発見し伸ばすかどうかは周囲の人しだいだと、工房しょうぶという現実が物語っているのです。スタッフをコーディネーターとして育成し、利用者さん個々に適したプランから管理まで担う、現代美術、アウトサイダーアートに精通した審美眼と福祉哲学を探求する「デザイン室」なる部署があるようなのです(「中庭のある風景」P22参照)。いずれにせよ、世界中から集めたのかと思うほどの力作揃い、挑発的な作品群でした。 |
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