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旅に出たときのような新鮮な五感を持ち、
日常で出会ういろいろなものに興味を持ち、心にとめる。
人間は老若男女みんな、特に苦しい時、
自分を外から見ている自分を持って、
面白がることも大切だと思う。
自分で自分の気持ちを高揚さすような余裕が欲しい。

『柚木沙弥郎 92年分の色とかたち』より



芸術と云ふものは絶対高尚な物で、親の為、夫の為、子の為に身を捧げるのは極低い生活だといふのが百合子さんの見解だといふ。「しかし芸術が高尚な尊い物であるのとおなじく、家庭の実生活も絶対に尊い物である事にまだ気がつかないのはまだ百合子さんが若いのだ、かはいさうに……」と先生は、若い彼の女をいぢらしいものの様にしみ/″\と仰る。私ハよそ事ではないと思った。胸がギクリとした。私には芸術って何だかよくはわからないが……。

「銀のしずく 知里幸恵遺稿」草風館 日記 青空文庫より



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